養照寺(滑川市)概要: 養照寺は加賀藩主前田家の脇本陣だった寺院で寛政元年(1789)の火災で本陣だった桐沢家(綿屋)が焼失すると再建される約10年間仮本陣となり、天保13年(1842)から幕末までは小泉家と交互に本陣を務めました。
現在でも藩主が休息や宿泊で利用した上段の間などが残されており格式の高さを感じさせます。上段の間は畳敷10帖で随所に銘木が使われ他の部屋より床が高く、天井は格天井、床の間、書院付、養照寺本陣(上段の間)は貴重な事から滑川市指定文化財に指定されています。
養照寺本堂は大正5年(1916)に造営されたもので、木造平屋建、入母屋、桟瓦葺、平入、正面3間向拝付、棟梁は滑川出身の名工岩城庄之丈が担っています。
岩城庄之は名工として知られ、全国的には築地本願寺本堂(東京都中央区)や靖国神社神門(東京都千代田区)、富山県内では射水神社(高岡市)や日枝神社(富山市)、滑川市では櫟原神社や養照寺などを手懸けています。
養照寺本堂は大正時代に建てられた質の高い寺院本堂建築の遺構として貴重で「国土の歴史的景観に寄与しているもの」との登録基準を満たしている事から平成29年(2017)に国登録有形文化財に登録されています。山門は切妻、桟瓦葺、薬医門、鐘楼は入母屋、桟瓦葺。宗派:真宗大谷派。本尊:阿弥陀如来。
養照寺:上空画像
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