宿場回廊8・橋場(滑川市)概要: 橋場には、中川など複数の河川が合流し河口に面している事から船着場が設けられ江戸時代には物資の集積場として発展し、加賀藩の年貢米の積み出しの他、問屋や旅籠、商家などが軒を連ね藩の高札場なども立てられました。その後も橋場は滑川宿の中でも経済的な中心地として多くの商人や、商品を求める人達、旅人達が集まり賑やかだったとされ、特に旅籠「嶋屋」は安政6年(1859)頃は薬商や紅粉商を営んでいた豪商として知られていたそうです。
明治時代に入ると中新川郡の中心地として重要視され中新川郡役所や警察などの行政機関が設置されると共に中新川郡随一とも云われた繁華街としても発展しました。その後、鉄道の設置や、近代的な交通網の整備、公共施設の移設などから次第に中心地からは外れ、商店なども場所を変えたり廃業になり衰微しました。現在は当時の賑わいは失われましたが僅かにその雰囲気が残され、中川右岸にある廣野家は当時の繁栄を伝える建物のひとつとして国登録有形文化財に登録されています。
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