熊野神社(富山市)概要: 熊野神社は富山県富山市宮保に鎮座している神社です。熊野神社の創建は斎明天皇4年(658)に勧請されたのが始まりと伝えられています。延長5年(927)延喜式神名帳に記載されている所謂「式内社」で広く知られる存在でした(式内社越中國婦負郡熊野神社は市内に複数鎮座しています)。
往時の境内は数キロ四方に及んだとされ、現在の境内から1キロ程離れた熊野川が参拝者の手水(御手洗)として利用され、数百メートル程のところには二ノ鳥居の痕跡が発見されています。
江戸時代に入ると歴代富山藩(藩庁:富山城)の藩主前田家の祈願所となり江戸時代中期の享保10年(1725)の大干ばつの際は当時の藩主が神官横越阿波守則恒に命じ、17日間雨乞いの祈祷が行われ見事7日後に雨が降り出したと言われています。
特に10代藩主前田利保が篤く崇敬し領内巡視で近隣に来た時は必ず参拝に訪れ五穀の豊作と天平の泰平を祈願し、社領10石を安堵し寛政10年(1798)には社殿が改築されたそうです。
明治時代初頭に発令された神仏分離令を経て村社に列しています。木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺き、平入、桁行3間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造り白漆喰仕上げ。本殿は一間社流造。祭神:櫛御気野命。合祀:天照大神、応神天皇、水罔女神。
熊野神社:上空画像
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