医王院(小矢部市)概要: 若宮山医王院は富山県小矢部市埴生に境内を構えている浄土宗の寺院です。医王院の創建は慶雲3年(706)に開かれたのが始まりと伝えらています。
天平元年(729)に医王院の勅額を賜るなど格式の高い浄土宗寺院だったそうで近年では尼寺として知られています(※現在の住職は男の住職との連絡が医王院様からいただきました)。
本尊の銅造阿弥陀如来坐像は境内背後にある若宮古墳から出土したものと伝えられる古仏で姿形から平安時代中期から末期に制作された推定されています(学術的には古墳時代のものでは無い事から若宮古墳の副葬品では無い)。
像高8cm、幅4cm、銅製、当初は観音像・勢至菩薩を脇侍とする阿弥陀三尊像であったと思われますが現在は本尊のみとなり、明治時代初頭に発令された神仏分離令により護国八幡宮から仏教色が一掃された際に医王院に遷されています。
多くの仏像を安置している医王院の本堂
木造僧形八幡神坐像は姿形から僧形八幡神像として鎌倉時代初期に制作されたものと推定されるもので、桧材、一木造、像高41cm、幅25.5cm、元々は護国八幡宮の御神像でしたが明治時代初頭に発令された神仏分離令により護国八幡宮から医王院に遷されています。
銅造阿弥陀如来坐像と木造僧形八幡神坐像は貴重な事から昭和44年(1969)に富山県指定重要文化財に指定されています。
十王像は慶長17年(1612)に高岡城の城主前田利長の病気平癒祈願として奥方・御殿女中らが長楽寺の寄進し、神仏分離令で長楽寺が廃寺となり医王院に移されたもので昭和63年(1988)に小矢部市指定有形文化財に指定されています。
仁王像は鎌倉時代から室町時代に制作されたもので十王像と同様長楽寺に安置されていましたが廃寺に伴い医王院に移され、中世で制作された仁王像としては大形で小矢部市内では珍しいものとして昭和63年(1988)に小矢部市指定有形文化財に指定されています。
又、境内には倶利伽羅峠三十三観音の石像が安置されています。山号:若宮山。宗派:浄土宗。本尊:阿弥陀如来。
医王院:上空画像
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