乗永寺(小矢部市)概要: 乗永寺は富山県小矢部市島に境内を構えている真宗大谷派の寺院です。乗永寺は鎌倉時代末期の正応3年(1290)に乗専坊によって創建された寺院で、「島の寺」の別称があります。
室町時代には一向一揆や石山合戦に加担し、木舟城(富山県高岡市福岡町木舟)の城主石黒左近から攻撃を受け、その兵火により堂宇が焼失し境内も荒廃しましたが、その後再興され宝暦8年(1758)に現在地に堂宇が再建されました。
乗永寺の鐘楼堂は天正10年(1582)に城端別院善徳寺(南砺市城端町)の境内に建てられ宝暦9年(1759)に乗永寺境内に移築されたと推定される建物で、入母屋、桟瓦葺き、外壁は柱のみの吹き放し、蟇股には一向一揆の際に使われた鶴丸紋が見られます。
歴史を刻んできた乗永寺鐘楼堂
乗永寺鐘楼堂は小矢部市内では最古級の建物として貴重な存在で昭和63年(1988)に小矢部市指定有形文化財(建造物)に指定されています。
又、昭和49年(1974)に境内に寄進された14世紀頃(鎌倉〜南北朝時代)の製作と推定されている五輪塔2基が市内でも古い年代の五輪塔として貴重な事から平成3年(1991)に小矢部市指定有形文化財(考古資料)に指定されています(金屋本江地内で土砂採取中に発見され、その後、乗永寺に寄進され供養された)。
山門は切妻、桟瓦葺、一間一戸、薬医門。本堂は入母屋、桟瓦葺、平入、桁行10間、正面1間向拝付。宗派:真宗大谷派。本尊:阿弥陀如来、聖徳太子、十二光阿弥陀如来。
乗永寺:上空画像
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