若宮古墳(小矢部市)概要: 若宮古墳は6世紀初頭に築造された前方後円墳です。全長約50m、後円部直径28m、前方部19m、くぶれ部幅11m、全体は盛土で築造され周囲には円筒埴輪が並んでいたとされます。
古墳からは円筒埴輪の他に太刀(3点)、三輪玉(5点)、鉾(3点)、須恵器、湖州鏡(中国宋時代に製作、「湖州□□□」煉青銅照子」の銘、古墳の副葬品ではなく、その後に設けられた祭祀施設又は埋葬施設に伴うものと推定)などが出土しています。
伝承では若宮古墳に隣接する医王院の本尊銅造阿弥陀如来座像は古墳近くから発見されたものと伝えられています(銅造阿弥陀如来座像は形状から平安時代末期の製作されたと推定され、若宮古墳の副葬品では無いと思われます。
若宮古墳は近くに鎮座する埴生護国八幡宮から神聖視され信仰の対象になっていた事から、何らかな祭祀施設が設けられそこに祭られていたとも考えられます。祭祀施設が廃れると埴生護国八幡宮に遷され、明治時代の神仏分離令後に医王院に遷されています。富山県指定文化財)。
若宮古墳は富山県内の現存する古墳の中では唯一埴輪を有するものとして貴重な存在で平成5年(1993)に富山県指定史跡に指定されています。
若宮古墳:上空画像
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