安田城(富山市)概要: 安田城は富山県富山市婦中町安田に位置する城郭です。安田城の築城は安土桃山時代の天正13年(1585)、豊臣秀吉(当時は羽柴秀吉)が越中侵攻で佐々成政(富山城の城主)と対峙した際、拠点となった白鳥城の支城として築かれたのが始まりと推定されています(文献的初見)。成政が秀吉に下ると前田家が支配し城主には家臣である岡嶋一吉が城主となっています。
天正15年(1587)、佐々成政は九州征伐で功をあげた事で肥後国(現在の熊本県)を与えられ越中国(現在の富山県)を去ると、安田城の重要性が薄まり廃城になったとされます。慶長2年(1597)に前田利長(加賀藩初代藩主、前田家2代)がそれまでの居城だった守山城から本拠を富山城に遷すと、安田城は富山城の支城として再整備されたと推定され、再び岡嶋一吉が城主となっています。
慶長4年(1599)に前田利家が死去すると、利長が家督を継いだ為、前田家の本城である金沢城(石川県金沢市)に遷り、岡嶋一吉も随行した為、安田城には家来である平野三郎左衛門が代官として赴任しましたが、江戸時代初期頃には廃城になったと思われます。
安田城は本丸・二の丸・右郭の3つの郭からなる平城で東西約150m、南北約240m、面積34000uの規模で3つ郭には井田川から引き込んだ水堀と土塁で囲まれていました。現在は古地図により堀や土塁が復元、保存され一帯(安田城跡歴史の広場)が昭和56年(1981)に国指定史跡に指定されています。
安田城:上空画像
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