海禅寺(富山市)概要: 稲荷山海禅寺は富山県富山市四方西岩瀬定籍に境内を構えている真言宗の寺院です。海禅寺の創建は大宝元年(701)仏性上人(文武天皇の皇子)に開かれたのが始まりと伝えられています。
伝承によると仏性上人が巡錫で当地を訪れた際、霊夢で仏の御告げを受け、さらに稲荷明神の化身と思われる老人の導きにより海中から黄金に輝く釈迦如来像を拾い上げ、それを本尊として開山したと伝えられています。
当初は華厳宗の寺院で打出にありましたが大同3年(808)に真言宗の開祖弘法大師空海が当寺に滞在、聖観世音菩薩像を自ら彫刻し真言宗に改宗、その後、岩瀬石の鳥居を経て、元禄8年(1695)に富山藩(藩庁:富山城)が立藩すると城下である現在地に移りました。
霊場として信仰を集める海禅寺の本堂
海禅寺の寺宝である木造聖観世音菩薩立像は鎌倉時代初期に制作されたと推定されるもので、像高83cm、檜材、一木造り、平安時代の様式を継承する貴重な仏像である事から昭和40年(1965)に富山県指定文化財(彫刻)に指定されています。
海禅寺本堂は木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺き、平入、桁行6間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造白漆喰仕上げ。境内背後の高台には鎮守社であある稲荷神社が鎮座し神仏習合の名残が感じられます。
北陸三十三観音霊場巡り第30番札所(札所本尊:聖観世音菩薩・御詠歌:言葉にもいかが岩瀬の海禅寺 大慈大悲の深き誓を)。越中一国三十三観音霊場第24番札所。山号:稲荷山。宗派:真言宗。本尊:聖観世音菩薩。
富山市:神社・仏閣・再生リスト
|