布勢神社(布施の円山)概要: 布勢神社は富山県氷見市布施に鎮座している神社です。 布勢神社の創建は不詳ですが延長5年(927)に編纂された延喜式神名帳に式内社として記載されている古社です。創建当時の周辺は「布勢の水海」と呼ばれる湖で、境内地である円山(標高:約20m、周囲約300m)はその布勢の水海に浮かぶ孤島だったとされます。その風景は風光明媚であると同時に神聖視され古くから信仰されてきたと思われます。
祭神の大彦命は孝元天皇の皇子で北陸道鎮撫将軍として四道将軍の異名があり、その後裔とされる阿部氏から分立した「布施臣」の一族が当地を領し祖神を祀ったと伝えられています。江戸時代には大伴家持を祀る「御影大明神」などと称していましたが、明治維新後に旧社号と思われる布勢神社に復すると村社に列し、御影大明神は御影社として現在は布勢神社の境内社となっています。
布勢神社拝殿は木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺、妻入、桁行4間、正面1間向拝付、外壁は真壁造り板張り。本殿は一間社神明造、桟瓦葺。境内に建立されている「大伴家持卿遊覧之地」の石碑は享和2年(1802)に建立されたもので題字は正二位権大納言花山藤公、万葉に係わる石造物としては富山県最古と言われています。
又、万葉歌碑には天平20年(748)に大伴家持(当時の越中国守:746〜751年まで国守として越中に赴任していました。)が田辺福麿の歓迎宴の席上の返歌で詠った「明日の日の 布勢の浦みの藤波に けだし来鳴かず 散らしてむかも」が刻まれています(その他にも「布勢の海の沖つ白波あり通ひ いや年のはに見つつ偲はむ」などの歌を残しています)。布施の円山は昭和55年(1980)に氷見市指定名勝に指定されています。祭神:大彦命。
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布勢神社:上空画像
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-氷見市教育委員会
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