八尾八幡社(富山市)概要: 八尾八幡社は富山県富山市八尾町下新町に鎮座している神社です。八尾八幡社の創建は天平年間(729〜749年)、ト丸正位が前金剛山(標高:1637.9m、※ピークは金剛堂山の1650m)山頂に金剛蔵王権現を勧請し聖徳太子像と行基像を安置する為一庵を設けたのが始まりと伝えられています。
ただし、金剛堂山は大宝元年(701) 役ノ小角により開山され婦中町鵜坂神社(式内社、県社)の奥宮とも云われている為に詳細は不詳。
奈良時代には山岳信仰の拠点として繁栄したそうですが後に衰退し、天正4年(1576)にト丸正位の後裔にあたるとされる葛城氏が神官となり八尾町発祥の地とされる現在地に遷座し社殿が造営されました。
江戸時代に入ると富山藩主前田家の祈願所として庇護され、天保2年(1645)には瀧谷神社(八尾産土神)と瀬戸山蓮勝院を合祀したことで下新町、東町、西町、上新町、鏡町、今町による八尾総社としての格式を確立し大正13年(1924)には郷社に列しています。
曳山が有名な八尾八幡社の拝殿
現在の八尾八幡社社殿は天明元年(1781)に再建されたもので拝殿は入母屋、桟瓦葺、平入、桁行6間、正面1間向拝付。本殿は一間社神明造、銅板葺。
毎年5月3日(平成5年までは5月5日)に行われる八尾八幡社例祭で奉納される神輿渡御は江戸時代中期から続けられている神事(春季例大祭:八尾曳山祭り)で上新町(起源:寛保元年・御神体:在原業平・曳山年:安永7年)・東町(起源:寛保2年・御神体:深草少将と小野小町・曳山年:安政6年)・西町(起源:延享3年・御神体:恵比須・曳山年:明和8年)・今町(起源:安永4年・御神体:菅原道真・曳山年:文久2年)・諏訪町(起源:明治2年・御神体:神功皇后と武内宿禰と応神天皇・曳山年:明治7年)・下新町(起源:明治16年・御神体:大黒天・曳山年−年)の6基の曳山と共に獅子舞、神輿が町内を練り歩く厳か祭りで曳山囃子の三味線、横笛、太鼓の音が一日中町を響かせています。
6基の曳山は「八尾町祭礼曳山」として昭和40年(1965)に富山県有形民俗文化財に指定され、名称「八尾曳山神事」として富山県教育委員会による「とやまの祭り百選」に選定されています。祭神は誉田別尊(応神天皇)。
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