【 高岡市伏木 】−伏木湊は古代の越中国の中心だった場所で、国府が設置され一之宮である気多神社が鎮座し、国分寺が境内を構えていました。平安時代末期から鎌倉時代に朝廷の権力が失墜すると国府の機能が形骸化し衰微しました。江戸時代に入ると伏木湊は加賀藩に属し、藩の主要湊の一つとして重点的に整備が行われました。又、北前船の寄港地だった事から上流域での年貢米が当地に集積され、伏木湊から日本海を経由して大坂に運ばれていきました。湊町には多くの廻船問屋や海運関係者、漁業関係者の居宅が軒を連ねましたが、近代に入ると次第に衰微しました。現在でも良好な町屋建築が点在する一方で町並みとしては次第に失われつつあります。
【 谷村家住宅 】−谷村家住宅は富山県高岡市伏木中央町に位置する町屋建築で、明治元年(1868)に地元出身の針山分吉によって建てられました。谷村家住宅は明治元年(1868)に建てられたものの、江戸時代に建物の軒の高さが制限させていた事を引き継いでいる為、現在残されている後年建てられた町屋建築と比べると一目瞭然です。2階正面両側には防火、延焼防止の為に袖壁が設けられ、1階正面に設けられた下屋庇先端には幕板(風反し・さがり・霧避け)が付いています。国登録有形文化財。
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