帝龍寺(神通峡・富山市)概要: 船峅山帝龍寺は富山県富山市舟倉に境内を構えている高野山真言宗の寺院です。帝龍寺の創建は大宝2年(702)、御連枝真福上人(文武天皇)によって開山したのが始まりと伝えられています。
古くから延長5年(927)に編纂された延喜式神名帳に式内社として記載された姉倉比売神社と神仏混合して本地佛の嵯峨虚空蔵菩薩を本尊として祀っていました。
中世は寺運が隆盛し境内には七堂伽藍が建ち並び63坊の総本寺として福沢、笹津、船峅、下タの集落は"船峅寺郷"と称されました。室町時代の応永年間(1394〜1427年)と明治時代の火災により多くの堂宇、寺宝、記録など焼失、明治時代初頭に発令された神仏分離令により姉倉比売神社とは離れ、寺院として独立しています。
帝龍寺の寺宝である十一面千手観音立像は鎌倉時代の正安2年(1300)に越後国(現在の福井県)出身の讃岐房覚乗と弟子である薩摩房定応によって制作されたもので、檜材、寄木造り、像高約1m、銘があるものとしては富山県最古仏像で、年代や製作者が明確で、意匠に優れ、保存状態が良い事などから昭和44年(1969)に富山県指定重要文化財に指定されています(近年まで秘仏でしたが、文化財指定された事を契機に観音堂の本尊として観音祭の際に御開帳となります)。
絹本着色三千佛図(過去佛)は縦5尺3寸5分、横4尺5分、極彩色、昭和55年(1980)に富山県指定重要文化財に指定されています。山号:船峅山。宗派:高野山真言宗。本尊:大日如来。
帝龍寺:上空画像
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