大淵寺(神通峡・富山市)概要: 安龍山大淵寺は片掛集落(富山県富山市片掛)の西端にの飛騨街道沿いにある曹洞宗の寺院で山門の前には西国三十三番を模した石仏が並んでいます。この石仏をお参りすると西国三十三番を巡礼したのと同じ御利益があるとされ古くから信仰されてきました。
大淵寺の創建は室町時代の文明元年(1469)、瑞泉寺から僧侶を招いて船峅坂本で開山したと伝えられています。戦国時代の永禄年間(1558〜1570年)に上杉謙信(関東管領、越後守護職、春日山城の城主)の越中(現在の富山県)侵攻の兵火により大きな被害を受けましたが、江戸時代に入ると加賀藩(藩庁:金沢城)の藩主前田家から庇護され2代藩主前田利常(前田家3代目)から寺領が安堵され、江戸時代中期の享保10年(1725)に現在地に境内を移して再興しています。
現在の大淵寺堂宇は大正5年(1916)の火災で焼失後の大正12年(1923)に再建されたもので、本堂は木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺き、平入、桁行6間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造り白漆喰仕上げ。山門は切妻、銅瓦棒葺き、一間一戸、四脚門。
寺宝である軸装般若十六善神絵像は江戸時代後期の天保4年(1833)に関西出身の立山を奉斎した信者が岩峅寺永泉坊に寄進したもので、明治時代の神仏分離令とその後に吹き荒れた廃仏毀釈運動により、手放す事となり、当時の大淵寺の住職が購入しました。軸装般若十六善神絵像は当時の立山信仰を知る貴重なものとして昭和60年(1985)に富山市指定文化財に指定されています。山号:安龍山。宗派:曹洞宗。
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