西勝寺(南砺市)概要: 五谷山西勝寺は富山県南砺市利賀村坂上に境内を構えている浄土真宗本願寺派の寺院です。西勝寺の創建は文明年間(1470年代)に開かれたのが始まりと伝えられています。伝承によると、当時の利賀村の殆どの住民は真言宗の信者でしたが、上畠の田中家に浄土真宗の旅僧が布教に訪れ村人達にその教えを説くと、住民達はその僧の為に一宇を設けたのが始まりとされ、その僧も田中家の娘を嫁に貰い、男子が授かると、さらに熱心に布教活動を行い村全体が浄土真宗の信者になったと伝えられています。浄土真宗本願寺派の寺院として五箇山では中心的な存在で、別称で利賀の御坊と呼ばれる程で、戦国時代には東本願寺を開いた教如上人が訪れたとされ、石山本願寺合戦の際は五箇山で産出される塩硝を持ってに参陣し教如上人寿像を賜ったと伝えられています。
西勝寺の寺宝には蓮如上人の書や顕如上人の香炉などを所有し当時の本願寺との関係が窺えます。現在の山門は明和年間(1764〜1771)に飛騨の匠によって建てられたもので一間一戸、入母屋、茅葺、上層部は鐘楼堂で外壁は吹き放しになっています。梵鐘は明和4年(1767)に藤原朝臣平井但馬守伊永が制作したものです。本堂は大正10年(1921)に再建されたもので入母屋、銅板葺、平入、桁行8間、正面1間向拝付、外壁は真壁造、素木板張。境内一体は昭和45年(1970)に南砺市(旧利賀村)指定史跡に指定されています。山号:五谷山。宗派:浄土真宗本願寺派。本尊:阿弥陀如来。
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