蚕堂(南砺市井波町)概要: 井波の蚕堂は江戸時代末期の文久元年(1861)に井波町の蚕業者達が生産の過程で無数の数の命を失った蚕の霊を弔う為、現在地である旧井波城本丸跡(現在の井波八幡宮境内)に社を設けて蚕を祭ったものです。蚕堂の建物は、一間社、切妻造、総ケヤキ造、外壁は真壁造り素木板張り、正面1間唐破風向拝付、銅板葺(元こけら葺)、向拝細部には精緻な彫刻、棟梁は井波町出身の松井角平恒久(12代)があたっています(現在は覆い屋内部に納められています)。江戸時代末期の神社本殿建築に類似している点も多く建物全体が中国の古事に倣った彫刻で彩られ、彫刻の町井波の特徴も現れています。井波の蚕堂は当時の地場産業の歴史的背景と、井波堂塔御堂建築としての遺構として貴重な存在で平成15年(2003)に南砺市指定有形文化財に指定されています(現在は井波八幡宮が管理しています)。
南砺市:神社・仏閣・再生リスト
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-南砺市教育委員会
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