富山県庁舎本館概要: 富山県庁舎本館は、昭和5年(1930)の富山大火で焼失した後の昭和10年(1935)に建てられた鉄筋コンクリート造4階建、間口89m、奥行き51m、建築面積3315u、延床面積13490u、高さ約18mの建物で当時の富山県内では珍しい耐震の技術が採用されました。
1階外壁は石張り、2階以上はスクラッチ・タイル貼りで縦長の窓を採用しながら窓の高さを揃える事で水平線を強調しています。玄関周りは他の外壁面より前に張り出し化粧柱を小刻みに配し4階まで延ばすことで、この部分だけが垂直性を強調し、正面性が感じられます。
直線を強調し権威的な意匠でまとめられていますが玄関両脇のアーチ状の開口部や四隅の角は丸みが付けられなど当時の洋風建築の要素も取り入れています。設計は大熊喜邦(大蔵省営繕管財局)、増田八郎(臨時県庁舎建築課長)、施工は戸田組。
富山県庁舎本館は昭和初期の庁舎建築の遺構として貴重な存在で、平成27年(2015)に国登録有形文化財に登録され、平成21年(2009)に富山県教育委員会による「とやまの文化財百選(近代歴史遺産)」に選定されています。
富山県庁舎本館:上空画像
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