東薬寺(富山市)概要: 医王山東薬寺は富山県富山市牧野に境内を構えている高野山真言宗の寺院です。東薬寺の創建は大宝元年(701)行基菩薩が北陸巡礼の際、霊夢によりこの地を霊地と悟り開いたのが始まりと伝えられています。
文武天皇(第42代天皇・在位:697〜707年)の勅願寺として寺運が隆盛し、室町時代には越中守護職の桃井直常が庇護したことでさらに大きな影響力を持ちました(一説には桃井直常の菩提寺だったとも伝えられ、東薬寺境内付近には直常の墓とされる五輪塔(富山市指定文化財)があります)。
最盛期には境内には七堂伽藍が建ち並び支院、末寺、鎮守社が軒を連ねる大寺でしたが戦国時代の天正年間(1573〜1593年)に上杉謙信(関東管領、越後守護、春日山城の城主。)が越中に侵攻し兵火により多くの堂宇、寺宝、記録などが焼失し、江戸時代中期の宝暦年間(1751〜1763年)に復興し現在に至っています。
長い歴史を伝えている東薬寺の本堂
本尊の木造不動明王座像は鎌倉時代初期に制作されたと推定される古仏で像高81.8p、杉材、一木造り、両脇には童子の立像を伴い、昭和40年(1965)に富山県指定文化財(彫刻)に指定されています。
寺宝である木造地蔵菩薩立像も同じく鎌倉時代初期に制作されたと推定、像高96p、杉材、一木造り、地蔵菩薩像としては富山県最古とされ、貴重な事から昭和40年(1965)に富山県指定文化財(彫刻)に指定されています。
その他にも東薬寺は木造薬師十二神将立像が昭和57年(1982)に富山市指定文化財に指定されているなど数多くの寺宝を所有し大岩不動(中新川郡上市町:大岩山日石寺)・上滝不動(富山市上滝)と共に越中三不動に数えられています。
北陸三十六不動霊場第十九番札所。北陸白寿三十三観音霊場第二十八番札所。山号:医王山。宗派:高野山真言宗。本尊:不動明王。
東薬寺:上空画像
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