正源寺(富山市)概要: 慈眼山正源寺は富山県富山市西番に境内を構えている曹洞宗の寺院です。正源寺の創建は安土桃山時代の天正2年(1574)に常願寺川の氾濫によって多くの住民がその被害によって疲弊した為、天正8年(1580)に佐々成政(富山城の城主)の命により成政に従った当地の領主である五十嵐次郎左衛門頼房の尽力で氾濫防止の祈願寺として開かれたのが始まりと伝えられています。
当時から水難防止に御利益があると信仰され、江戸時代に入ると歴代富山藩主から崇敬庇護し、特に富山藩10代藩主前田利保は篤く信仰し、藩のお抱え絵師である山下守胤に命じて本堂の天井に水除け龍の墨絵を描かせ富山城の城下町の守護としました。
水除け龍の下で手を叩くと龍が鳴いているように室内が鳴り響く所謂鳴龍天井で、伝承では常願寺川が氾濫する時に自ら鳴いて住民に危機を知らせたと伝えられ昭和46年(1971)に富山市指定文化財(絵画)に指定されています。
本尊も木造聖観世音菩薩立像は天正2年(1574)に奉納されたもので鎌倉時代初期作(伝:行基菩薩作)、像高90.9p、ヒノキ材、一木造り、昭和40年(1965)に富山県指定文化財(彫刻)に指定されています。北陸三十三観音霊場巡り第31番札所(札所本尊:聖観世音菩薩・御詠歌:観音の恵みは深き正源寺 竜の鳴き音も救いなるらん)。山号:慈眼山。宗派:曹洞宗。本尊:聖観世音菩薩。
正源寺:上空画像
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-富山県教育委員会・富山市教育委員会
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