有藤家住宅(高岡市吉久町)概要: 有藤家住宅は大正5年(1916)に建てられた、木造2階建て、切妻、平入り、桟瓦葺き、建築面積195u、2階外壁は真壁造り、白漆喰仕上げ、1階正面は細格子戸で構成されています。2階屋根は梁桁を待ち出す事で大きく前に張り出し両脇はウダツ状の袖壁が付き、1階は露除け程度の厚板屋根になっています。桁行き6間半と広く、平面構成は2列3室。
加賀藩の蔵米の積出港として栄えた高岡市吉久地区にある典型的な町屋建築として貴重な存在で「造形の規範となっているもの」との登録基準を満たしている事から平成10年(1998)に国登録有形文化財に登録され、平成26年(2014)に高岡市歴史的風致形成建造物に指定されています。
【 高岡市吉久 】−吉久地区は小矢部川と庄川が日本海に流れ込む河口近くに位置する舟運の拠点として発展した町で、江戸時代には加賀藩に属し、上流域の年貢米の集積場、積出港として周辺の農村から住民が集められ町割りされました。吉久には加賀藩の年貢米を収納する多く藩蔵が設けられ御詰米奉行や御蔵番などの役人が派遣されました。
さらに、漁業の町でもあった為、舟運船の他に漁船も数多く停泊し大きく発展しました。明治時代に入り加賀藩が廃藩になると年貢米の集積という目的は失われ舟運も衰微しましたが、近代化が図られなかった事で多くの町屋建築が残され、現在も当時の町並みを見る事が出来ます。
有藤家住宅:上空画像
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