十三寺(入善町)概要: 中尾山十三寺は富山県下新川郡入善町舟見に境内を構えている高野山真言宗の寺院です。十三寺の創建は不詳ですが、伝承によると天平年間(729〜749年)に行基菩薩が巡錫で当地を訪れた際、紫雲がたなびくのを見つけ、そこに歩み寄ると大杉の言霊の御告げを受け千手観音像、馬頭観音像、聖観音像の3像を自ら彫刻し安置したのが始まりと伝えられています。
その後、舟見城主飛騨守五郎左近尉の守護仏として篤く信仰されていましたが、戦国時代の天正年間(1573〜1593年)に上杉家の侵攻により舟見城は落城し本尊の3像も姿を消しました。江戸時代中期の宝暦11年(1761)、清智和尚(法福寺住職)の霊夢に御告げがあり、十三寺の本尊だった3像を見つけ出し一庵を設け安置し再興しました。
十三寺本尊の木造千手観世音菩薩立像は杉材、一本造、像高85.7cm、で平安時代末期から鎌倉時代初期に行基菩薩によって制作されたものと伝える仏像で京都の清水寺本尊様式です。聖観世音菩薩立像と馬頭観世音菩薩立像の2体も同年代に制作されたものと推定され杉材、一木造、像高73cm、3体共富山県内では珍しく貴重なものとして昭和40年(1965)に富山県指定重要文化財に指定されています。
又、3体の仏像は6年に1度開帳される秘仏で御開帳の際は米吊り奉納が行われます。寺宝が多く木造狛犬、持国天立像、多聞天立像が入善町指定文化財に指定されています。北陸三十三観音霊場第32番札所(御詠歌:有難や地蔵中尾の観音寺 庭の古木もさかるなるらん)。山号:中尾山。宗派:高野山真言宗。本尊:千手観音。
十三寺:上空画像
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-富山県教育委員会・入善町教育委員会
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